藤代峠からの眺めは一見の価値あり-六義園〈View from Fujishiro pass must be worth a look-Rikugien〉

●こんなところ


東京都立9庭園の一つ、駒込駅からすぐの散歩コース。他の庭園同様、広大な敷地の中に様々な見どころがある。特にここは立派な枝垂れ桜があることで有名で、桜の時期は夜間ライトアップされる。

小石川後楽園とともに、できた当初より江戸の二大庭園として名を馳せていたそう。

和歌への造詣が深かった造園者が、和歌で歌われる日本の名所を表現しようと庭園を作ったらしく、いろいろな場所の景観が八十八境として園内の至るところで表現されているのが特色。

園内に入ると内庭大門の先に巨大なしだれ桜が。開花の時期には頭上から滝のように流れる綺麗な桜が見られる。「しだれ桜と大名庭園のライトアップ」という名前で例年3月下旬にライトアップもされる。しだれ桜だけでなく庭園もライトアップされるのが六義園ならでは。

園内に入りしだれ桜を過ぎると目の前に現れる大泉水という大きな池。他の日本庭園にもよく見られるもので、この池沿いに散策路が整備されている。

池沿いを時計回りに進んでいくと蓬莱島が見える。庭園ができた当時ではなく、明治時代にできたもの。石組みのアーチとその上から立ち上がる松のバランスが美しい。

園内入り口のちょうど反対側辺り、大泉水沿いに吹上茶屋という抹茶と茶菓子をいただける建物がある。趣きのある建物で、目の前に広がる景色を眺めながらいただくのは至福のひととき。

池から少し奥まったところには滝見茶屋というあづまやが。

中に入ると、向こうには岩の壁、そこから流れる滝、透き通った水面、水面を引き立てるよう配置された岩を眺めることができる。

滝見茶屋から大泉水の方を見ると千鳥橋が見える。ゆるやかにカーブする橋と池の組み合わせが映える。
千鳥橋を渡り尋芳径へと足を踏み入れると雰囲気が一転。水辺から山奥へと入っていく。

紅葉の時期は見事な眺めの水香江。現在水が流れてなく、紅葉の時期以外はちょっと寂しい景色。ただ、ライトアップの時期には霧と青い光で、かつての流れを再現するという粋な演出を行うそう。

水香江の先にはつつじ茶屋や山陰橋。この辺りは大泉水の開放感もなくすっかり深い山奥の雰囲気に。

六義園最大の見どころ、藤代峠。標高は35m。数字だとイメージが湧きづらいが、登頂直前の石組みの階段は急で、なかなか登りごたえがある。その分足元に広がる園内の眺めは素晴らしい。

渡月橋。和歌から名付けられたよう。橋を一直線にせず中央でずらすようにして視線をずらしていたり、橋の重量感と中央の岩と周りの景色とのバランスが見どころ。

再び大泉水に戻ってくると、出汐湊に出る。ここは大泉水の中にある島と湖畔に挟まれたエリア。ゆるやかにカーブする浜辺と池の風景がとてもバランス良く見えるビューポイント。ここからは視界にビルが入らないので、写真におすすめ。

しだれ桜が咲く時期に合わせて毎年期間限定で開催される、庭園がライトアップされ妖しげで幻想的な世界が広がるイベントはこちら。


●ここが素晴らしい

園内の見どころに、趣きのある看板がありそこから見える眺めの解説が読める。

ただ眺めるだけでも十分美しいけれど、見るポイントを知ることでその風景らしさに目がいき、より魅力的な写真が撮れたりさらに楽しめる。

最初に眺め、説明を読み、再び眺める。そんな風にしてじっくり散策するのがおすすめ。


【最寄り】
JR山手線 東京メトロ南北線 駒込駅より徒歩7分

【開園時間】
9:00〜17:00(入園は16:30まで) 

【定休日】
年末年始(12/29〜1/1)

【入園料】
一般    300円
65歳以上 150円
(小学生以下及び都内在住・在学の中学生は無料)

【HP】

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